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計画25

 目を覚まして、一生懸命生きていったところで、どうせアタシは最後に死ぬ。
 だったら、今ここで死んだっていいかもしれないじゃん。
 それのどこがおかしいのか、今のアタシには全然わからない。
 だいたい、大宇宙航海時代に石器作ろうとか考えた時点で、死神もあきれたろうね。
 こいつ、頭悪すぎるぞと。

「おきて。ヒマワリ。こんなところで丸まってる場合じゃない」

 聞きなれた声が頭の中に響く。どこか優しげで、それでいてつめたい。
 でも、なによりも安心できる声のような気もする。

「こんなに石砕いてなにやってたの? さ、立って」

 あたしは言われるがままに、立とうとする。
 けど、ぜんぜん足に力が入らない。死にかけのタコよりも貧弱だ。

「しっかり。まだ助かる余地はある」

 首元にちくりと痛みが走った。まだ感覚があったことにアタシは驚く。

「ムーンアトマイザーの影響で体内ナノマシンが急速活性するから、すこし我慢して」

 我慢? なんのこっちゃ――
 って、くっ……

「視力が戻るから、光に驚かないで」

 驚かないでってことは、十中八九普通のやつは驚くってことじゃんか。
 でもあたしはフツウに耐えてみせる。だって、あたしはARKSだから。

「……よぉ、魔女っ子。元気してたか?」
「ばか。心配した。死ねばいいのに」

 おいおい、どっちなんだよと言いたくなったが、泣かないように涙をこらえるパステルをみてると、どうもこう、こっちの胸が苦しくなった。

「んで、任務は? アタシはのんきにくたばってたわけだけど」
「完全に失敗。どうしてあんなに大量の敵が襲撃してきたのかわからない」

 魔女っ子にわかんねぇなら、アタシにわかるはずがない。
 世界にはファンタシーが星屑ほどあふれてるからこそ、わからんことばかりだ。

「――とりあえず動かないで。救助が来るから」

 救助? どこのだれが助けてくれるってんだろうね。
 この作戦は極秘ってことになってるはずだ。でも、世の中ホントに秘密にできることなんて限られてるってのは人類史が証明してるけど。

「正規軍か? それとも法院のほうに?」
「部外者に漏らせない。ARKS非常救難信号を出した」
「ってこたぁ、この近くをうろついてた誰かが来るわけか」

 ご苦労さんって感じだ。けど、魔女っ子はちょっと甘すぎるな。
 物事を簡単に考えすぎてる。アタシが言えた義理じゃないんだけどさ。

「魔女っ子、たぶん救難信号は本部のほうで遮断される。コネを使ったほうがいい」
「でも……」
「……せっかくあんたが助けに来てくれたんだ。生き残りたいんだよ、アタシは」
「そう。でも、誰に頼るの?」

 誰に頼ったって、あとから借りを返せって言われるような連中ばっかり知り合いが多い。
 けど、ARKS管轄区に立ち入ることについて四の五の問題が生じにくいほうは……正規軍だな。

「キァハ准将にコール。アサインは――」

 魔女っ子にアタシがあの陰謀家の将軍と連絡を取るコードを教える。

「――短文を送った。返事があればいいけれど」
「なかったら法院に送りゃいいさ」
「あ、返ってきた。音声ファイルだから、再生する」
『あのね、あたしらだって万能じゃないわけ! 今、船団が攻撃を受けてんのよっ! 元老院が頭固すぎて決戦兵器の投入を拒んでるから、助けには行けないのっ! 恨まないでね』

 あの女将軍の期待はずれすぎる返事にあたしはあきれた。
 どんだけ使えない女なんだよ、あいつ。

「こりゃ参ったな。法院か?」
「船団が攻撃されている以上、法院だって予備戦力として動員されてるはず」
「だよな」

 魔女っ子の冷静な分析のおかげであたしらの未来は限りなく薄い光しか差してないことが分かった。

「――さよならを言うには早すぎるよな、パステル?」
「あきらめない。わたしたちは死なない。だって、生まれてきた理由だってわかんないんだから」

 そうだよな。お前さんにそういわれちまったらどうしようもない。
 凛とした横顔に惚れちまいそうだよ。たぶん、熱のせいだけどな。

『――あ、もっしもーっし! センパイたち元気してましたーっ?』

 誰? とアタシと魔女っ子は驚愕の表情を浮かべた。
 しかし、非常回線で割り込んできてる無線からは元気そうな女の子の声がしている。
 センパイ? アタシらに後輩なんていたっけ?

「こちらARKS所属パステル・エイン」
『どーもぉ! わたしですー。ミカンです!』

 ミカン? あの古代人のやつ、なんで通信圏内にいるんだ?
 ただの古代人が興味持つようなところじゃねぇだろ、この惑星は。

『座標をつかみましたーっ! んじゃ、わたし助けに行きますね』
「どうしてわたしたちの位置を? あなたがなんで惑星に?」とパステルがつい問うてしまう。
『ヌヌザック博士の研究に付き合ってきたんです。まったくもう、博士ったらコタツに入ったまま出てこないんで、仕事になりませんよ』

 コタツ? コタツってなんなんだ? アタシが知らない新兵器の研究実験にでも参加してるのかもしれない。
 たしかにヌヌザック博士はまれにみるヘンタイ、ではなく、優秀な科学者だ。船団政府の依頼で惑星に降りるなんてこともあるのかもしれない。



「お久しぶりです、センパイがた。あ、ひどいケガですね。すぐに機に運びます」

 ミカンのやつが洞窟に入ってくると、手際よく随行している研究員っぽいニューマンたちに指示を出し始めた。
 どうやら、ホントに研究業務のために惑星に降りていたみたいだ。

「応急処置はしたけど、ポッド入りは避けられないと思う」と、魔女っ子のやつがあれこれ委細を報告してる。
「よくわかりませんけど、パステルさんがいうならそうですね。シャトルには医師も載ってますから」

 アタシは研究員っぽい連中によって担架に乗せられて、そのままシャトルの中に運び込まれた。

 シャトルは典型的な民間軍事会社のアレで、ちょっとばかし手を加えてあるだけみたいだった。
 でも、アタシらARKSが目的地に向かうために使用する軍用機なんかと違って、ちゃんと研究に必要な機材が持ち込まれているみたいだ。
 おまけに、他の機体ともリンクさせてあるらしく、テレポータル使って資材のやり取りができるみたいだった。

 んでアタシは簡易医療ポッドに放り込まれる。

 もちろん全裸にされるわけだが、研究員のニューマンはアタシのそそるカラダを見ても何も思わないらしく、淡々と服を脱がされた。
 まぁ、ちょっと内臓とか見えてましたから萌える要素がなかったのかもしれない。

 なんてこった。ARKS入って何度目の任務失敗だ?
 アタシってやつは使えねぇ女だなぁ、とか考えているうちに眠くなって、そのまま目を閉じた。
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テーマ : PHANTASY STAR ONLINE2
ジャンル : オンラインゲーム

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YABUSAME

Author:YABUSAME
PSO2をプレイして、結構たちましたねぇ。
SEGAさんの公式サポーターになって随分たちました。

さて、ここにはテキストコンテンツしかありません。
華やかな画像やSS、イラストとは無縁ですのでご了承ください。
ななめ読みとかして楽しんで頂ければと思います。





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