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ファンタシースター計画17

1
 アタシはシップ2の旧市街に、某先輩と待ち合わせの約束を取り付けた。
 ファンタシィ・スターバックスの、チェーン店らしいソファでコーヒーを奢ることになってる。
 で、やっぱりあの人はアタシより先に着いていた。

「うふ。うふふふ。お久しぶりですねぇ、ヒマワリさん。お元気でしたかぁ?」

 ほんと、この先輩はアウトだとおもう。
 少女趣味のイオニアヘッドに、スカート気取りの外装パーツ。
 しかも動作はなよなよした少女しぐさをプリインストールしてる。
――だが、目がかっぴらいてる

「ご無沙汰していました、リサ先輩。中で話しましょう」
「突入ですか? 良いですねぇ、標的が一杯ですねぇ」
「いえ、罪のない民間人ですから撃たないでくださいよ」
「他人に戦わせてお茶してる人たちに罪がないんですかぁ? リサにはみんなクソの詰まった肉袋に見えますねぇ。撃ってみたいですねぇ」
「勘弁してくださいよ……」
「人じゃないから撃って良いんじゃないですかぁ?」
「人ですよ。先輩は相変わらずですねぇ」
「うふ、うふふふ」

 アタシはリサ先輩お気に入りのマキアートの一番でかいのを買って、席に着いた。
 リサ先輩はパッと見、美少女革命だから、まわりの男たちの視線を集めてる。
 まぁ、アタシも負けてな……いこともないかも。やっぱ、キャストの作られた造形美はアタシも心奪われる。

「どうぞ」

 アタシはリサ先輩にマキアートを勧める。
 しかし、このキャスト・マキアートってのは一体何が入ってるんだろう?
 妙に黒々としてて、それでいて緑色のホイップみたいなのがのってる。
 で、リサ先輩はそれをずずっとすする。
 どうやら満足してくれたみたいだ。少なくとも三分ほどは銃を乱射しそうにない。

「ところでリサはですねぇ、この前、ダークラグネを穴だらけにしたんですねぇ。とぉーっても気持ちよかったのです」
「はぁ」
「アサルトライフルで銃創を形成してあげて、そこにグレネードシェルを突っ込むと、体液がビュッ!」

 リサさんは真っ赤な瞳をうるうるさせながら、あのときの快感を思い出しているらしい。
 キャスト的には、性的絶頂なんかないはずなんだけど……。
 たぶん、この先輩が人やニューマンだったら、トリガー引いて敵が死んだら濡れて絶頂するタイプだ。
 やばすぎる。
 あんまりお世話になりたくない先輩だが、ここは仕方ない。
 なお、リサ先輩をうっとりと見ていた連中は、さっと視線をそらし始めた。

「ところで、リサ先輩。今日は相談がありまして」
「ヒマワリさんが相談ですかぁ? 珍しいですねぇ。怪しいですねぇ。でも、うれしいですよぉ」
 
 ニコニコ笑って、いきなり銃をぶっ放しだすんじゃないかと心配になるけど、アタシは気合を入れて立ち向かう。

「実は、マトイという少女をご存知ないかな、と」
「マトイさんですかぁ。ご存知ですよぉ。存じ上げてますよ。時空接触しちゃってる危ない子ですねぇ」
「難しいことは良いんですが、会えませんかね?」
「あえますよぉ。リサと一緒なら余裕ですよぉ。うふ、うふふふ」
「じゃ、紹介していただけますか?」
「良いですよぉ。すぐ会っちゃいますかぁ? それともヤッちゃいますかぁ?」
「会う方向で、お願いします」
「りょーかーい」


 リサ先輩に連れられて、いくつかのポータルを乗り継ぐと、ARKSロビーに着いた。
 相変わらずロビーは混雑している。
 いつもどおりのダンサー連中が騒いでるし、ソファーで雑談してる奴らもいる。
 無言で黙々とカウンターの仕事案件を見てるやからも多い。
 まぁ、みなさん仕事ご苦労さんってとこだね。
 アタシのほうは、ちょっと別件だけど。

「メディカルセンターの横にいる生意気そうなのが、マトイさんですねぇ」
「えっと、どこですか?」
「見れば一発ですよぉ。では、リサはお仕事なのです。ごきげんよう、ごきげんよう」
「ありが……」

 お礼を言う前に、リサ先輩はるんるんと、カウンターのほうに歩いていった。
 仕事というか、単純にダーカーを殺したくなったんだろう。
 とりあえず、メールでお礼の文面を送っておく。
 
 で、そのマトイってロリ巨乳はどこにいるんだ?
 
「あ、久しぶり、ヒマワリ」
「あん?」

 何じゃらほい、白銀の髪、白い着物、そしてデカイ乳のガキがアタシに話しかけてきた。
 アタシはその瞳を見たとき、すこしだけ、何かがずれたような気がした。
 なんというか、一瞬だけ、水の中で目を開けたような揺らぎを覚えたというか……。
 あるべきものの形が、少しずれたというか。
 だけど、アタシの足はここにあるし、鍛えた腹筋はたるんでないし、胸だってつんとしてる。

「えっと、誰ちゃん?」
「え……ひどいよ、ヒマワリ。いじわるしないで」
「あ、え?」
「それよりね、ミカンが今度一緒に映画に行こうって誘ってくれたの……私、うれしかった」

 オーケー。毎度おなじみ電波ちゃんか?
 アタシの周りにはろくでもない連中が跋扈するからな。魔女っ子、軍人連中、旧人類、法院官僚、鉄砲狂。
 そして、なんだ? 今度は下乳ロリ娘か?
 いや、待て、落ち着けアタシ。
 ミカンがなんだって?

「ミカンが、映画?」
「そうだよ? ヒマワリがチケットくれたって喜んでた。ヒマワリはミカンにやさしいね」
「え? アタシはチケットなんか……いや、待て、ミカンはそもそも半透明に……」
「半透明? ミカンが半透明になるなんて、ヒマワリは変な冗談ばっかり」

 静かに笑う小娘に、アタシは理解の及ばぬものを感じる。
 
「もしかして……あんたがマトイか?」
「ヒマワリは演技派だね。顔が真剣に疑ってるよ? 上手ー」
「いや、感心されても……ちょっと良いか?」
「あ、うん」

 アタシは乳だし娘との会話を中断して、個人端末で魔女っ子にコールする。
 早く出てくれ……。
 スパゲッティーモンスター教団のテーマがここまで耳障りに思えたのは久しぶりだぞ。
 早く、さっさと出やがれオカルト娘。

「――キーラ・セライ」
「あ?」
「教団の挨拶。キーラ・セライ。さぁ、あなたも」
「き、キーラ・セラ? いや、そもそもアタシは信仰心ないから」
「で、何か用? わたし、いまセキュリティチェックで忙しい」
「いやいや! おかしいだろ。ミカンはどうなった、デコだかヒジで、半透明なんだろ?」
「――ヒマワリ、あなた、惑星で頭でも殴られた?」
「降りてねーよ。とにかく、ミカンは?」
「仕事だけど。ヌヌザック博士のところ。それよりも、早く家賃持ってきて。今月分まだでしょ」
「ああ、そういやぁ……いや、待て。ちょっと待ってくれ」
「なに? わたし、パスタゆでなくちゃいけないんだけど」
「あのさ、マトイって知ってるか?」
「――いまどこ?」
「メディカルセンター前。マトイってやつに話しかけられてる」
「――そのままメディカルセンターにいて。すぐ行くから」
「た、助かる」
 
 アタシは頭を抱えてしゃがみこむ。
 ミカンが、仕事?
 半透明になってどうしようって話じゃなかったか?
 
「ねぇ、ヒマワリ……大丈夫?」

 マトイのやつが、えらく心配そうにアタシに声をかけてくる。
 なんでこいつはこんなに親しげなんだ?
 しかも、まるであったことあるような口ぶりじゃねぇか。
 
「もうすぐ、パステルが来る。しばらく休んで良いか」
「あ、うん。そこのソファで……」
 
 アタシはロリ巨乳につれられて、円心状のソファに腰を下ろした。
 頭が割れるんじゃねぇか、ってくらいに痛い。
 痛いすぎて……どうしようもない。
 視界はくらくらするし。

「大変! ヒマワリ、鼻血でてる!」
「へぁ?」
「これ使って」

 マトイがきれいなハンカチを出してくれた。
 だけど、それを血で汚すわけにはいかねぇから、アタシは自前のハンカチにモノメイトをしみこませ、鼻に当てて吸い込む。
 正直、むせる。
 だけど、コレで止血は出来る。

「本当に、大丈夫なの? この前は砂漠で死にかけてたし……私は心配だよ」
「まて、砂漠?」
「惑星リリーパだよ。知り合いの正規軍の人が、そこで行方不明になったって」
「……だれが行方不明なんだ?」
「えっと――」

 マトイは市民用の、おしゃれさを追及した端末を出して、アタシにニュースヘッドラインを見せてくれた。
『第44宙間機動打撃旅団、通称殴り込みキァハ旅団が数十年ぶりの実働演習中に消息を絶つ』
 その記事をアタシは食い入るようにみて、そのまま記事の誘導に沿っていく。
 あの頭のおかしい女司令の旅団は、やっとこさ元老院から取り付けたお墨付きをもって『砂漠の嵐演習』に参加。
 だけど、降下後、旅団丸ごと音信不通となって、現在、ARKSが捜索作戦を実行中だそうだ。
 
 信じられない。
 アタシの知っているところじゃ、あの連中はいまだ兵を動かせないことをぼやいてた。
 それに、こっちはミカンがスケスケだったから……。

「しっかり、ヒマワリ」
 
 うつむくしかないアタシに、聞きなれた声が飛んできた。

「パステル……」
「鼻血? 脳に損傷かも」
 
 魔女っ子はアタシの簡易スキャンを開始する。
 かってにバイタルチェックされるのも慣れたなぁ、とおもったりもする。

「脳に負荷がかかってる。入院」
「おい、嘘だろ?」
「ホント。何したの? また黙ってキァハ司令の捜索にでも降りて、機械にやられた?」
「いや、アタシはリサ先輩と……」
「――完全に混乱してる。精密検査しないと」
「おいおい、アタシは正常だって」
「でも、バイタルサインと脳波は正常値じゃない。わたしは専門家だけど、あなたは素人」
「まぁ、そうだけどさあ」
「マトイ、ヒマワリをありがとう」
「うん、パステル。こんど遊びに行くね」
「そう。MISOラーメン好き?」
「食べたことないけど」
「じゃ、それ用意しておく」
「やった! じゃ、ヒマワリ、お大事に――」

 アタシは割れそうな頭に屈した。
 視界を失い、平衡感覚が消えた。床がどこにあるか分からず、そのまま倒れちまった。
 魔女っ子が何か措置を施そうとする声や、マトイとかいうのが混乱してあたふたする声が聞こえてくる。
 けど、それも、絶えた。
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テーマ : PHANTASY STAR ONLINE2
ジャンル : オンラインゲーム

プロフィール

YABUSAME

Author:YABUSAME
PSO2をプレイして、結構たちましたねぇ。
SEGAさんの公式サポーターになって随分たちました。

さて、ここにはテキストコンテンツしかありません。
華やかな画像やSS、イラストとは無縁ですのでご了承ください。
ななめ読みとかして楽しんで頂ければと思います。





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